代表理事 塩澤 研一
長年の懸案でありました財団法人を設立させていただきました。ご支援頂きました大勢の皆様に心より感謝申し上げます。
今回の財団設立は私どもが長年暖め続けてきた「いのちの大学構想」(現在は「いのちの森構想」と改称)実現の一環としての設立と申せます。
水輪、水織音、グリーンオアシスの建設に続き、農業生産法人としての株式会社水輪ナチュラルファームの設立と五町歩の農地取得など、全てが「いのちの大学構想」実現の為の流れであり、二十一世紀の人類の意識の進化に向けた公共的な活動として世代生成していく使命を持ったものと言えます。
人類は長い間、宗教も含めて自分達の主義主張にこだわり続け、他との諍いを続けてきました。
現在もそのため地球上には戦争やテロがあとを絶ちません。地球という美しい生命体をこの21世紀こそ守り、未来の子供達に引き渡して行く使命があります。
現在人類が抱えている諸問題の解決は教育によるところが大きいと考えます。
「いのちの森文化財団」が真なる公共性を持った財団として発展していくことを心より願うと共に、その責任ある立場としてしっかりとした運営をして参る決意でおります。今後のご指導の程お願い申し上げます。
副代表理事 塩澤 みどり
平成18年9月5日、財団法人いのちの森文化財団が長野県教育委員会より認可され、平成23年7月には長野県知事より公益財団法人に認定され、教育文化事業を公益法人としてスタートさせて頂きました。
基本財産をご負担頂いた株式会社ティー ワイリミテッド代表取締役会長の依田巽様を始め、理事、監事、評議員としてご就任頂いた役員の皆様、並びに関係官庁の担当官の方々からのご支援とご指導により、長年の懸案であった財団法人の設立がなし得ましたことは、私どもが水輪の会を通して取り組んでまいりましたことを、深くご理解いただけたものと心より嬉しく感謝申し上げます。「人類の意識の進化」を大きな課題として20年にわたり意識教育の活動してまいりました「水輪の会」
が、その公共性を認められたことでもあり、今後ますます身を引き締めて地道な活動をして参る覚悟です。
この、人類の意識の進化を、より実践的に取り組んでいくものとして「いのちの大学構想」を提唱してまいりました。
教育、福祉、医療、科学、経済など、生活のありとあらゆる物事に対する取り組みの原点に「いのちとの繋がり」をおくことにより、理性と感性のバランス、個と全体との調和、己と他との協調などが育まれ、それが次世代へと継承されていく心が培われていくことを願っての財団設立でございます。
この様な法人を立ち上げることになりました原点には重い障害を持つ娘の存在がございます。
語ることも伝えることも出来ない娘の早穂理の声なき声に耳を傾け、心の声を聞くことの中に教育や福祉の全てがあることに気づかされてまいりました。また、医療の原点は「人のいのちの営み」であると気づかされました。
日々の労働も生活も、共に生き合う関係性無しに満たされるものはないことに気づかされました。
40年前に傷心の中で飯綱の麓に「早穂理庵」と名付けた小さな家から再出発した私たちの人生でしたが、大自然の息吹に心を癒され、いのちの尊さに気づかされ、生きる原点を学ばされてきたように思います。
私たちはこの山の麓で大勢の方々のご支援を頂いて生かされてまいりました。
全てを解き放った生活の中でこうして再び、社会的な役割を与えられることになりました。
「いのちの大学」は単なる学問の場ではありません。「生」から「死」まで生きあい、学びあい、働きあい、生活しあっていける「コミニティー大学」ともいえるものです。
そこには芸術や科学、文化や農業、哲学や経済などを通して学ぶ「いのちの営みからつながりあういのち」が存在しています。
生きた教育の場としてこのいのちの営みの事業が育っていってほしいと心から願っております。
未熟ながらこの度「いのちの森文化財団」の代表理事をお引き受けすることになりました。
役員の皆様方のお力、また大勢の方々のお力をお借りしなくては、十分にこの事業を推進していくことはできませんが、誠心誠意力を尽くして参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。