未曾有の災害に見舞われた東北三県に対する支援をと、去る平成23年7月12日、私と評議員の山下薫の二名で福島、宮城、岩手の三県を訪問させていただきました。

震災により被害を受けた子供達への支援ということで福島県の南相馬市、南三陸町から避難されている子供達のいる宮城県の登米市、市全体が破壊されてしまった岩手県の陸前高田市の各教育委員会をお訪ねし、それぞれ教育長さんに支援金50万円ずつをお渡しして参りました。

単に銀行に振り込むのと実際に震災の悲惨な状況を体感するのとでは大きな違いがあると思っておりましたので往復1,250キロの行程を一日がかりで行ってまいりました。

朝4時に長野を出発し日本海側から高速道路を走らせ東北に向かいました。

最初に訪れた南相馬市は原発の影響が大変大きいところで、行く途中の飯舘村から南相馬市までは畑や田圃には農作物が一切無く、荒れ果てた農地を見ることが大変悲しく涙を抑えることができませんでした。

南相馬市では青木紀男教育長さんが対応下さり、災害の状況を説明してくださいました。海岸近くの小学校が津波の影響で流され、また原発による目に見えない恐怖の中でこどもたちが頑張っている様子をお話しくださいました。

その後南相馬市から海岸沿いに北上した登米市では片倉敏明教育長さんに対応いただきました。

登米市自体は津波による被害はないのですが南三陸町からの避難されている子供達へのサポートなどにたいして支援金をお使い頂くようお願いをしてまいりました。

さらに海岸線を北上し陸前高田には午後3時頃到着致しましたが市自体が一面の廃墟となっており、県の教育委員会から陸前高田市教育委員会に出向されている星野俊一主査に携帯で電話すること10分。車で迎えにこられ庁舎に案内いただきました。

庁舎とは高台の上にプレハブを並べたもので「会議室にご案内します」と言われ後をついて参りますと、椅子を片手に野原に案内されました。野原に椅子 を並べての贈呈です。教育委員会の建物は本庁社の前にあり3階立ての建物は津波に飲み込まれ30人いた職員のうち27人は津波の犠牲にり亡くなられてし まったとのこと。対応下さった金賢治教育次長さんも家屋を流され一時は呆然となったそうです。

市そのものが地震で陥没し海岸線も200メートルほど手前にきてしまっていました。

3市に行くまでの道はがれきの山となっており、復興には相当な時間と労力と資金を必要としていることは歴然としています。とりわけ福島の放射能による汚染は今後の日本のエネルギー政策にも大きな課題を投げかけています。

原発に頼らないエネルギー政策と国民一人一人の地球環境に対する意識の向上を私たち自らの課題として取り組んで行く必要を強く感じ、また決意し1,250キロの行程を駆け抜けてまいりました。

引き続き支援のための行動を続けてまいりますので、皆様からのご支援もよろしくお願い致します。

公益財団法人 いのちの森文化財団 副代表理事 塩澤 研一

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